こんにちは。埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」です。
銀歯を白くしたい場合の治療法は豊富に存在します。保険適用内で治療できるものもあれば、自費診療のものまでさまざまです。
今回は、銀歯を白くするメリットやデメリット、保険適用内と自費診療の治療法について詳しく解説します。
銀歯とは
銀歯とは、金属素材で作られた詰め物・被せ物のことをいいます。銀歯はメリットもありますが、金属素材のため多くのデメリットもあります。
銀歯の特徴
銀歯は、歯科治療でよく使われる保険診療対象の材料で、正確には金銀パラジウム合金とよばれます。金を12%含み、銀や銅、パラジウム等を合金にしたもので、耐久性と強度があるのが特徴です。
銀歯は主に、虫歯を取り除いた部分に詰めるインレー治療、歯全体を覆うクラウン治療、複数の歯を繋げるブリッジ治療などに使用されます。型取りを行い、模型上で作製した銀歯を、治療した歯にセメントで装着します。
一方で、かつては銀歯として多用されたアマルガムは、成分に水銀を含むことから現在ではあまり使用されません。アマルガムは、虫歯を除去した部分に直接詰めるため、セメントの劣化が問題となることはありません。
しかし、水銀成分が健康に影響を及ぼす可能性があるため、近年では使用がひかえられています。
銀歯のメリット
銀歯のメリットは、以下の2つです。
- 費用が安い
- 強度が非常に高い
銀歯は、セラミックなどほかの素材に比べて、費用が安いという大きなメリットがあります。
また、銀歯は非常に強度が高く、割れるリスクや欠けるリスクが低い特性があります。これは、特に噛む力が強い方や硬い食べ物を好む方にとっては、大きなメリットとなるでしょう。
銀歯のデメリット
銀歯のデメリットは、以下の5つです。
- 見栄えが悪い
- 金属アレルギーのリスクがある
- 虫歯が再発しやすい
- 歯茎が変色する可能性がある
- 歯周病の発症リスクが高い
銀歯は金属であるため、ほかの天然歯の中でかなり目立ちます。見た目を気にする方にとっては大きなデメリットとなるでしょう。
また、金属イオンが溶けだして金属アレルギーを発症することがあります。金属アレルギーの症状は、痒みや発疹、口内炎などさまざまで、重症化すると全身症状を引き起こす可能性もあります。
そして、銀歯は金属製のため、レントゲン撮影で歯の下の部分が見えません。虫歯が進行していても気付きにくく、再発のリスクが高いといえます。
さらに、長期間銀歯を使用すると、歯茎が金属色に変色する現象が起こることがあります。メタルタトゥーとよばれ、見た目の問題だけでなく、口内環境を悪化させる可能性もあるのです。
最後に、歯周病のリスクも挙げられます。銀歯は表面が傷つきやすく、細菌が付着しやすくなるため、歯周病の発症リスクが高まります。
銀歯を白くできる?
銀歯を白くすることは可能です。
ただし、白くする治療法は保険適用と自費診療の2つの方法があります。保険適用の治療では、白い素材を使用して歯を治療することが可能ですが、耐久性が低い傾向にあります。
一方、自費診療を選ぶと、より自然な見た目の歯に近づけることが可能ですが、費用が高額になりやすいです。
治療法を選ぶ際は、予算と相談しながら最適な方法を選ぶことが重要です。歯科医師とよく話し合い、ご自身の希望や状況に適した治療法を選びましょう。
銀歯を白くするメリット・デメリット
銀歯を白くすると健康被害を減らせるなどのさまざまなメリットがあります。
一方、治療費が高く、強度が劣るなどのデメリットもあります。
銀歯を白くするメリット
銀歯を白くするメリットは、以下のとおりです。
虫歯の再発リスクを下げられる
セラミックなどの白い材質は、菌や汚れが付着しにくい特徴をもっているため、虫歯が再発しにくくなります。
一方、銀歯は構造上、細かいすき間ができやすいのが特徴です。すき間に食べかすや菌が溜まりやすく、虫歯が再発しやすくなります。
見た目がよい
銀歯を白くすると、自然で美しい歯に見せることができます。笑顔の美しさは人間関係や自信にも影響を与えるため、見た目を重視するのであれば、銀歯を白くすることは大きなメリットとなるでしょう。
金属アレルギーの心配がない
銀歯は金属素材であるため、一部の方に金属アレルギーの反応を引き起こす可能性があります。金属アレルギーの原因は、金属が口腔内で金属イオンとして溶け出し、体内に蓄積することによるものです。肌荒れや口内炎などの不快な症状を引き起こすことがあります。
白い歯の素材には、セラミックやレジンなど、体に優しく、金属アレルギーを引き起こす心配がないものがあります。
銀歯を白くするデメリット
銀歯を白くするデメリットは、以下のとおりです。
治療費が高い
銀歯は材料費や製造費が比較的安いため、保険適用内の治療として行われます。そのため、銀歯の治療費は比較的安くおさえることが可能です。
一方、銀歯を白くする治療は、通常はセラミックやレジンなどの材料が用いられます。セラミックは、耐久性や見た目はよいですが、治療費が高くなります。結果的に、白い歯の治療は保険適用外となることが多く、1歯あたり数万円以上の費用がかかることがあるでしょう。
しかし、レジンなどの一部の白い素材は、保険適用の治療として使用できることもあります。具体的な治療費や素材の種類などについては、歯科医師に相談しながら治療を進めましょう。
耐久性が低い素材もある
銀歯から白い歯への変更を検討する際、選択する素材の種類によっては、耐久性が低くなる可能性があります。銀歯は金属製で強度が高く、割れる可能性や欠ける可能性が低いです。
一方、セラミックやレジンなどの白い素材は、銀歯に比べて硬度が低いものもあり、噛む力や摩耗に対する耐性がやや劣り、傷つきやすいでしょう。
銀歯に比べて強度が劣ることがある
銀歯を白くするためには、新たに被せる素材に合わせて歯の形状を整える必要があります。つまり、歯自体に虫歯などの問題がなくても、白い素材を適切にフィットさせるために、一定量、歯を削る必要があるということです。
削られた歯はもとに戻すことができないため、デメリットといえるでしょう。
保険適用で歯を白くする治療法
保険適用内で歯を白くする治療についてご紹介します。
コンポジットレジン
コンポジットレジンとは、プラスチック製の樹脂を使った保険適用の歯科治療法です。銀歯を外し、代わりにコンポジットレジンを詰めて固めることで、歯を白くすることができます。特に、噛む面や一部分の小さい銀歯の治療に適しています。
<コンポジットレジンのメリット・デメリットと相場費用>
メリット | ・1日で治療が終了する ・自然な色味である |
デメリット | ・耐久性が低い
・虫歯が大きい、または噛む力が強い方には向いていない |
費用 | 約1,500円 |
硬質レジン前装冠
硬質レジン前装冠は、金属フレームに白いプラスチック樹脂(レジン)を張り付けて作られたものです。前歯に用いた場合は保険が適用されます。樹脂が表面にあるため見た目は自然で、中に金属が使われているため噛み合わせの強度も保たれています。
<硬質レジン前装冠のメリット・デメリットと相場費用>
メリット | ・見た目が自然である
・内部が金属のため強度が高い ・安価である |
デメリット | ・金属アレルギーの方には適用できない
・経年による変色が起きやすい |
費用 | 約8,000円 |
硬質レジンジャケット冠
硬質レジンジャケット冠は、歯全体を被せる治療法で、被せ物全体がレジンで作製されています。金属を使用せずに作製されるため、金属アレルギーの心配はありません。見た目が自然で、金属アレルギーを引き起こすことなく、歯を保護するための選択肢として選ばれることが多いです。
保険が適用されるのは、前歯から数えて5番目の歯(第二小臼歯)までです。それ以降の歯(大臼歯)には適用されません。
<硬質レジンジャケット冠のメリット・デメリットと相場費用>
メリット | ・見た目が自然ある
・金属アレルギーの心配がない ・一部の歯のみ保険適用できる |
デメリット | ・第二小臼歯以降の歯(大臼歯)には適用できない |
費用 | 約3,000~5,000円 |
ハイブリッドセラミックレジン冠
ハイブリッドセラミックレジン冠は、レジンとセラミックを混合した材料で作る歯の被せ物です。特徴として、セラミックの使用により硬質レジンジャケット冠よりも強度が高く、割れにくいメリットがあります。そのため、噛みしめる力が強い方や、比較的大きな被せ物が必要な方に適しているでしょう。
保険が適用されるのは、前歯から数えて4~6番目の歯までです。それ以降の歯は自費治療となります。
<ハイブリッドセラミックレジン冠のメリット・デメリットと相場費用>
メリット | ・割れにくい
・一部の歯については保険適用で治療できる |
デメリット | ・4番目、5番目、6番目以降の歯には適用できない。 |
費用 | 約4~8万円 |
保険適用外で歯を白くする治療法
保険適用外で歯を白くする治療法についてご紹介します。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックは、セラミックと樹脂のよい特性を融合させた歯科治療の材料です。質感や色味が非常に自然で、自身の歯とほとんど見分けがつかないほどです。
また、セラミック特有の硬さと樹脂の柔軟性を兼ね備えており、適度な強度と耐久性があるため、長期的な使用にも耐えられます。
<ハイブリッドセラミックのメリット・デメリットと相場費用>
メリット | ・天然の歯に非常に近い見た目が得られる
・セラミックの硬さと樹脂の柔軟性を兼ね備えている ・金属アレルギーの心配がない |
デメリット | ・金属材料よりも費用が高い
・技術的な難易度が高いため、治療者による差が出やすい |
費用 | 約5~10万円 |
ダイレクトボンディング
ダイレクトボンディングは、歯の形や色を美しく修正するための方法です。歯と歯の間のすき間や欠けた部分の修復、色素沈着などに対して有効です。コンポジットレジンを歯の表面に直接塗布し、適切な形状に調整します。コンポジットレジンは硬化するまで形状を自由に変えることができるため、自然な形と色を再現することが可能です。
ダイレクトボンディングは、歯の削る量を最小限におさえられるため、歯に対する負担が少ない特徴があります。
ただし、コンポジットレジンは、セラミックや金属などに比べて耐久性が劣るため、定期的なメンテナンスが必要です。また、ワインやコーヒー、タバコなどの色素が強い物質により、経年による変色が生じる可能性もあります。
<ダイレクトボンディングのメリット・デメリットと相場費用>
メリット | ・自然な形状と色を再現することができる
・歯に対する負担が少ない ・治療時間が短い |
デメリット | ・耐久性が劣る
・定期的なメンテナンスが必要 ・経年による変色が生じる可能性がある |
費用 | 約2~5万円 |
オールセラミック
オールセラミックは、セラミック素材のみで作られた歯科治療法です。オールセラミックは、透明感と天然歯に近い色調から、見た目が非常に美しいです。金属を全く使用していないため、金属アレルギーの患者さまにも適用可能で、口内での異物感や金属臭もありません。耐久性も高く、硬い食べ物を食べる際も問題なく使用できます。
ただし、製作過程が複雑で技術を要するため、治療費は高額といえるでしょう。また、オールセラミックの被せ物は硬すぎるため、噛み合う歯に負担をかける可能性があります。
<オールセラミックのメリット・デメリットと相場費用>
メリット | ・天然の歯に近い美しい見た目が得られる
・金属アレルギーの心配がない ・高い耐久性をもつ |
デメリット | ・治療費が高額である
・噛み合う歯に負担をかける可能性がある ・技術を要する複雑な製作過程である |
費用 | 約8~22万円 |
メタルボンド
メタルボンドは、金属フレームにセラミックを焼き付けたものです。
メタルボンドの特徴は、強度と耐久性にあります。金属フレームが内側にあるため、噛み合わせの力に対して非常に強く、長期間にわたって使用することが可能です。また、表面にはセラミックが使用されるため、見た目も自然で美しい仕上がりとなります。
しかし、内部に金属が含まれるため、金属アレルギーの方には適していません。また、金属部分が透けて見えることがあり、全く自然な見た目ではない場合もあります。
<メタルボンドのメリット・デメリットと相場費用>
メリット | ・高い強度と耐久性をもつ
・表面がセラミックのため美しい見た目が得られる |
デメリット | ・金属アレルギーの方には適していない
・金属部分が透けて見えることがある ・複雑な製作過程と高い費用が必要である |
費用 | 約8~15万円 |
ジルコニアクラウン
ジルコニアクラウンは、ジルコニウム酸化物とよばれる、セラミックス材料から作られる被せ物の一種です。ジルコニアクラウンは、高い強度と美しさを兼ね備えています。ジルコニウムは非常に堅く、金属並みの強度をもつため、噛み合わせの力に対して十分耐えることができるでしょう。また、白く透明感のある色調が特徴で、自然な歯の色に近いため、見た目の美しさも優れています。
ただし、強度ゆえに、天然歯に対しては過度な圧力を与えることがあるため注意が必要です。また、高い技術と精密な作業が求められるため、費用は一般的に高額といえるでしょう。
<ジルコニアクラウンのメリット・デメリットと相場費用>
メリット | ・高い強度をもつ
・色調が自然で見た目が美しい ・金属アレルギーの心配がない |
デメリット | ・天然歯に対して過度な圧力を与える可能性がある
・高い技術と費用が必要である |
費用 | 約12~18万円 |
ホワイトコート
ホワイトコートは、歯の表面に特殊な樹脂を塗布し、歯を白く見せる方法です。ホワイトコートの特徴は、直接歯に影響を与えず、自然な白さを出せることです。治療時間も短く、多くの場合1回の診察で完了します。さらに、樹脂の厚みが薄いため、違和感があることはほとんどありません。歯を削る必要もなく、無痛で安全な治療法といえるでしょう。
しかし、長期的に見ると、ホワイトコートは徐々に色褪せたり剥がれたりする可能性があるため、定期的なメンテナンスが必要です。また、飲食の影響を受けやすく、特にコーヒーやワイン、カレーなどの色素が強い食べ物は変色を早める可能性があります。
<ホワイトコートのメリット・デメリットと相場費用>
メリット | ・自然な白さを出すことができる
・無痛で安全な治療法である ・治療時間が短い |
デメリット | ・色褪せや剥がれが起こりやすい
・飲食の影響を受けやすい |
費用 | 約2,000~6,000円 |
まとめ
今回は、銀歯を白くする場合のそれぞれの治療法、メリットやデメリットについてご紹介しました。
銀歯は、強度が非常に高く、奥歯でも安心して使用できます。
一方、金属アレルギーや虫歯の再発リスクが高いのも事実です。銀歯を白くすることで、それらのリスクを低減でき、見た目も美しくできます。保険適用内の治療法もあれば、自費診療となる治療法もあります。
もし「見た目をよくしたい」「虫歯の再発リスクを下げたい」などの理由から銀歯を白くしたい方がいれば、一度歯科医師に相談しましょう。ご予算やご自身の求めるものをすり合わせて、最適な治療法を選択してください。
銀歯を白くすることを検討されている方は、埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。