こんにちは。埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」です。
「セラミック治療では歯を削ることはある?」「歯を削る量はどれくらい?」など、セラミック治療に関する疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
セラミック治療は審美性に優れていますが、健康な歯を削る必要があります。治療によって削った歯はもとに戻せないため、セラミック治療のメリット・デメリットを知り、納得して治療を行うことが重要です。
今回は、セラミック治療で歯を削ることはあるのか、セラミック治療のメリット・デメリット、歯を削らずに白くする方法について解説します。セラミック治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
セラミック治療で歯を削ることはある?
セラミック治療とは、セラミックという陶磁器と同じ素材を使用した歯科治療のことです。歯並びや歯の色・形を整えるために、セラミックでできた人工歯を被せます。
歯科治療で被せ物をするときは、歯を覆うための土台を作ります。土台を作る際、歯をある程度削って調整しなければいけません。
セラミック治療でも同様に、歯の表面を削って土台を作る必要があります。セラミックは、ある程度の厚みがないと衝撃で割れる可能性があるため、その分歯を多く削ります。歯を削る量が多くなると、神経を抜かなければいけないケースもあるでしょう。
セラミック治療で歯を削るメリット・デメリット
美しく自然な白い歯を手に入れられるセラミック治療ですが、健康な歯を削ることに抵抗がある方は少なくありません。納得して治療を受けるために、メリット・デメリットをしっかりと把握しましょう。
セラミック治療で歯を削るメリット
セラミック治療では健康な歯を削る必要がありますが、メリットも多いです。セラミック治療で歯を削るメリットを3つご紹介します。
審美性に優れている
セラミック治療の最大のメリットは、天然の歯に近い白い歯を再現できることです。セラミックは、表面が滑らかなので汚れが付着しにくく、自然な白さが長持ちします。
金属アレルギーの心配がない
銀歯などの金属でできた詰め物や被せ物を使用した歯科治療では、金属アレルギーを発症するリスクがあります。歯科金属による金属アレルギーは、口内に入れた金属から金属イオンが溶け出すことで、さまざまなアレルギー反応を引き起こすのです。お口の中だけでなく、全身にも影響を及ぼすことがあります。
金属を一切使用しないオールセラミックで治療を行った場合、金属アレルギーを起こすことはありません。アレルギーが心配な方でも、安心して治療を受けられます。
虫歯が再発しにくい
保険適用の銀歯で治療を行った場合、詰め物や被せ物のすき間にプラークが溜まり、虫歯が再発することがあります。
セラミック治療では、歯とセラミックのすき間が少ないため、虫歯が再発しにくいです。表面が滑らかで汚れが付着しにくいことからも、虫歯になるリスクは低いといえるでしょう。
セラミック治療で歯を削るデメリット
セラミック治療は審美性に優れた治療ですが、デメリットもあります。セラミック治療のデメリットを3つご紹介します。
健康な歯を削る
前述したとおり、セラミック治療では健康な歯を削らなければいけません。歯を削る範囲が大きく歯髄(神経)まで達するケースでは、痛みを感じるため神経を抜いて治療を行います。
健康な歯を削ると歯の寿命を縮めるため、歯を削る量を最小限に治療を行うことが大切です。セラミック治療を行う場合は、事前に歯の削る量や、神経を抜く必要があるかを歯科医師に確認しましょう。
衝撃で割れることがある
セラミックは強度が高い素材ですが、陶磁器と同様に衝撃で割れることがあります。セラミックの歯を長持ちさせるには、毎日のケアと歯科医院でのメンテナンスが重要です。
虫歯になると、セラミックの寿命が短くなります。口内を清潔に保ち、定期的に歯科医院を受診してメンテナンスを受けましょう。
費用が高い
セラミック治療は保険が適用されない自費診療です。保険適用の銀歯やレジンと比較すると、治療にかかる費用は高くなります。
費用は歯科医院やセラミックの種類によって異なりますが、1本あたり100,000円程度〜と高額です。
セラミック治療で削る歯の量はどれくらい?
セラミック治療で削る歯の量は、使用するセラミックによって異なります。強度の維持や色調の再現性のために歯を削る量に違いが出るため、セラミックの特徴を知ることが大切です。
ここでは、使用されることが多いセラミックとそれぞれの特徴、治療の際に削る歯の量について解説します。
ジルコニアセラミッククラウン
ジルコニアは、人工ダイヤモンドともいわれるセラミック素材です。金属を使用していないため透明感が高く、審美性と強度を兼ね備えたセラミッククラウンです。
審美性の高いセラミックの内側にジルコニアを貼り付けて作られます。2種類の素材を使用することで、強度を高めているのです。奥歯のブリッジなど、噛むときに大きな負荷がかかる歯でも耐えられることが特徴でしょう。
天然の歯より硬いため、噛み合わせの歯に負担がかかることもあります。歯を削る量の目安は、以下のとおりです。
- 前歯:唇側面1.0〜1.5mm、舌面面1.0〜1.5mm、切縁(先端)1.5〜2.0mm
- 臼歯:頬側面1.0〜1.5mm、舌側面1.0〜1.5mm、咬合面1.5〜2.0mm
メタルボンド
天然歯に近い色調を再現できる、審美性に優れたセラミッククラウンです。外側にはセラミック、内側に金属を使用しています。
金属で補強しているため噛む力が強い歯にも使用できますが、色調はオールセラミックより劣ります。歯を削る量の目安は、以下のとおりです。
- 前歯:唇側面の歯頚部0.8mm、唇側面の歯頚部以外1.2mm、舌側面1.0mm、切縁2.0mm
- 臼歯:頬側面の歯頚部0.8mm、頬側面の歯頚部以外1.2mm、舌側面1.2mm、咬合面1.5mm
e-max
e-maxは、ガラス系の材料を使用して作られた透明度の高いセラミッククラウンです。自然な仕上がりが特徴で、天然歯と同じくらいの硬さなので対合歯(噛み合っている反対の歯)を傷めるリスクが低いことがメリットでしょう。
歯を削る量の目安は、以下のとおりです。
- 前歯:唇側面の歯頚部1.0mm、唇側面の歯頚部以外1.0〜1.2mm、舌側面1.0mm、切縁1.5mm
- 臼歯:頬側面1.0mm、舌側面1.0mm、咬合面1.0mm
ラミネートベニア
ラミネートベニアは、前歯の唇側の面に薄いセラミックの板を貼り付け、前歯の色調を改善する治療です。神経を抜いた歯や、着色が強くホワイトニングでは色調の改善が難しい歯でも白さを取り戻せます。
噛む力が加わる部分は適応外になるため、歯を削る量が少ないことが特徴です。削る量は歯頚部が0.3mm程度、それ以外の部分では0.5mm程度です。
歯を削らずに歯を白くする方法
歯を削らずに白くしたい場合は、セラミック治療ではなく、ホワイトニングを選択するとよいでしょう。ホワイトニングは、天然歯の表面にホワイトニング材を塗布し、付着した色素を落として歯を漂白する方法です。
しかし、ホワイトニングで得た白さは永久的に持続するわけではありません。白さを維持するには、定期的にホワイトニングを行う必要があります。虫歯や歯周病がある場合、事前に治療が必要です。歯を削らずに白くしたい方は、まずは歯科医師に相談しましょう。
ホワイトニングは健康な歯を削る必要がないため、歯の寿命を縮めることはありません。ホワイトニングには、歯科医院で行うオフィスホワイトニングと、自宅で行うホームホワイトニングがあります。
オフィスホワイトニング
歯科医院で歯の表面に専用の薬剤を塗布し、歯を漂白する方法です。濃度の高い薬剤を使用できるので、1回1時間程度の治療で効果を実感できます。
ただし、ホワイトニングの効果は個人差があります。歯質や変色の原因などによって、効果のあらわれ方が異なるのです。
ホームホワイトニング
自宅で行うホワイトニングです。専用のマウスピースを作り、マウスピースに薬剤を流し込んで歯に装着して歯を白くします。1日1~2時間程度マウスピースを装着しなければいけません。
ホームホワイトニングでは濃度が低い薬剤を使用するため、効果を実感するのに2週間〜1か月程度かかります。徐々に歯を白くするため、白さが長持ちすることが特徴です。
まとめ
セラミック治療は自然な白い歯を手に入れることができる治療ですが、健康な歯を削らなければいけないデメリットもあります。治療によって削った歯はもとに戻せないため、メリット・デメリットを事前に把握し、納得して治療を受けることが大切です。
健康な歯を削ることに抵抗がある方は、歯を削らずに白さを取り戻せるホワイトニングも選択できます。まずは歯科医師の診察・カウンセリングを受け、ご自身に最適な治療法を探しましょう。
セラミック治療を検討されている方は、埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。