こんにちは。埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」です。
虫歯などを治療した部分の詰め物や被せ物にセラミックを用いる治療法を、セラミック治療といいます。多くの歯科医院で採用されており、審美性や耐久性が高いことから人気のある治療です。
しかし。治療後に不具合が報告されるケースもあることをご存じでしょうか。具体的には「セラミック治療後に歯茎が黒くなった」という方がいるのです。
今回は、セラミック治療後に歯茎が黒くなる原因と対処法について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
セラミック治療後に歯茎が黒くなる6つの原因と対処法
セラミック治療後に歯茎が黒くなるケースがあります。6つの原因と対処法を詳しく確認しましょう。
治療時に金属が使われている
セラミック治療で使われる詰め物や被せ物は、すべてセラミックでできたオールセラミックだけとは限りません。金属の外側にセラミックを焼き付けたメタルボンドという被せ物を選択できる場合があります。
銀歯などでも同様ですが、口腔内に金属を長期間入れていると、金属イオンが溶け出して歯茎が黒くなることがあるのです。
対処法としては、詰め物・被せ物の変更が挙げられます。金属を含むメタルボンドではなく、オールセラミックやe-max、ジルコニアなどに変更することで、症状が改善されることがあります。
歯の根の土台に金属が使われている
歯の根の土台に金属が使われている場合も、歯茎が黒くなる可能性があるでしょう。
通常、歯の神経を抜く治療をしたあとは、神経が入っている管に防腐剤を詰めてから、被せ物を装着するための土台を作成します。土台を作成する際に、金属が使われるケースがあるのです。年数が経つにつれて金属イオンが溶け出し、歯茎が黒くなることがあります。
対処法としては、土台から被せ物までをやり直すことが挙げられます。土台に金属を使っている場合は、セラミック治療を行う前に土台からやり直すとよいでしょう。
歯茎が黒くなることを防ぎたい場合は、土台に金属が使われていないか歯科医師に確認してもらってください。金属が使われている場合は、ファイバーコアでの再治療も検討するとよいでしょう。
ファイバーコアとは、土台として入れるしん棒に、最新技術のグラスファイバーを用いるものです。金属を使用しないため、歯茎や歯の根が黒くなりません。また、金属アレルギーも防げます。
もともと黒くなっていた歯の根元が露出した
加齢とともに歯茎が下がり、歯の根元が露出するケースがあります。歯の根元がもともと黒くなっている場合は、歯茎が下がることで歯茎全体が黒く見えるケースがあるでしょう。
対処法としては、被せ物を外して歯の根元の漂白を行い、再度新しい被せ物を装着することが挙げられます。歯肉移植を行う方法もあるでしょう。
歯肉移植を行うと歯茎が厚くなるので、歯の根元の色によって歯茎全体が黒く見えることは改善される可能性があります。
歯茎の黒ずみを取らずに治療した
もともと歯茎が黒くなっている状態でセラミック治療を受けた場合、きれいなセラミックと比較して歯茎が黒ずんで見えることがあります。
もともと歯茎が黒くなっている原因は、過去の治療で被せた金属冠の場合が多いです。ほかにも、喫煙や紫外線、口呼吸、強すぎるブラッシングによる影響などが原因になることがあります。
対処法としては、ガムピーリングを行うことが挙げられるでしょう。ガムピーリングは、別名歯のホワイトニングともよばれています。
歯茎に専用のピーリング剤を塗布して、歯茎の黒ずみや変色を除去する施術のことです。ガムピーリングを行うと歯茎のターンオーバーが促進されるので、歯茎の黒ずみを解消できるでしょう。
出血がある状態で治療を受けた
セラミック治療を受ける際に歯茎から出血していた場合、接着剤に血液成分が混ざって歯茎が黒く見えるケースがあります。
対処法としては、詰め物・被せ物の再作成が挙げられるでしょう。
歯周病が進行している
セラミック治療後に歯周病が進行した場合、歯茎が黒くなるケースがあります。
歯周病とは、歯垢の中の細菌が歯茎に炎症を引き起こす病気のことです。症状が進行すると、歯を支えている骨が溶ける可能性もあります。
歯周病がある程度進行した場合、排膿が原因で歯茎が黒くなることがあります。排膿とは、歯茎から膿が出ることです。
対処法としては、歯周病を治療することが挙げられます。歯周病治療の基本は、毎日のセルフケアと歯科医院でのクリーニングです。口腔内に溜まったプラークや歯石を取り除き、口腔内の細菌を減らすことができれば歯周病の進行を止められます。歯周病の進行が止まれば、歯茎の色も改善されるでしょう。
歯茎が黒くならない素材はある?
歯茎が黒くなる原因は数多くありますが、金属イオンが溶け出したことが原因の場合が多いでしょう。金属イオンの溶け出しで歯茎が黒くなることは、金属を含む素材を使用しているから起こります。
したがって、最初から金属を含まない素材を使用すれば、歯茎が黒くなることを回避できるのです。金属を含まない素材を確認しましょう。
オールセラミック
オールセラミックとは、文字どおりセラミックだけで作られた補綴物のことです。補綴物の内側・外側ともに100%セラミックでできています。
非常に審美性に優れており、見た目は天然歯とほとんど変わりません。自然な透明感やツヤ、白さが長期的に維持されるため、オールセラミックを選択する方は非常に多いです。
e-max
e-maxは、セラミック素材の一種です。ガラスセラミックスを強化した素材であり、透明感に優れている点が大きな特徴です。天然歯より美しく仕上がるともいわれており、非常に高い審美性が評価されています。
審美性だけでなく、耐久性に優れている点も特徴でしょう。オールセラミックと比較すると3~4倍程度の強度があり、天然歯とほぼ同じ水準です。
ジルコニア
ジルコニアも、セラミック素材の一種です。人工ダイヤモンドともいわれるほどの高い耐久性と強度が大きな特徴です。大きな負荷がかかりやすい奥歯にも使用できます。
全体的に白く透明感があり、目立ちにくいこともメリットでしょう。審美性に優れていることから、前歯に使用しても違和感がありません。
まとめ
今回は、セラミック治療後に歯茎が黒くなる原因と対処法について解説しました。歯茎が黒くなる原因は数多くありますが、金属イオンが溶け出したためというケースが多いです。
メタルボンドなど、金属を含む素材を使用した場合は、歯茎が黒くなる可能性があるでしょう。金属イオンが溶け出す可能性があるためです。
また、加齢に伴って歯茎が下がることで、被せ物と歯茎の境目が黒く見えるケースもあります。境目が黒く見えることも、金属を含む素材を使用しているから起こります。
最初から金属を含まない素材を使用すれば、歯茎が黒くなることを回避できるでしょう。金属を含まない素材として挙げられるのは、オールセラミックやe-max、ジルコニアなどです。
オールセラミックとは、文字どおりセラミックのみで作られた補綴物のことをいいます。天然歯の色調や透明感の再現性に優れており、非常に審美性が高いことが特徴です。
e-maxとは、ガラスセラミックを強化した素材のことをいいます。審美性が高く、天然歯と同程度の硬さであることが特徴でしょう。人工ダイヤモンドともいわれるジルコニアも、金属を一切含まない素材です。
いずれの素材にも特徴があるため、比較検討したうえで最適なものを選びましょう。
セラミック治療を検討されている方は、埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。