こんにちは。埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」です。

セラミックの歯は自然な見た目から人気がありますが、不自然に見えることがあります。主な原因としては、色の選定ミスや、歯の形状が周囲の歯と合っていないことなどが挙げられるでしょう。

今回は、セラミックの歯が不自然に見える原因と、解消するための対処法について解説します。

セラミック治療とは？

セラミック治療とは、医療用セラミック素材を使用した歯科治療の一種です。主に、虫歯治療後の詰め物や被せ物、外傷後の修復に用いられます。

セラミック治療の主な魅力は、自然な歯の見た目を再現できることや、金属アレルギーの心配がないことです。

美しい歯並びを求める矯正治療の分野でも、セラミックが用いられることがあります。歯を削って形を整え、セラミックの被せ物やブリッジを適切な位置に装着して、短期間で理想的な歯並びを実現するのです。

セラミック矯正は、従来の矯正治療よりも迅速に結果を得られます。健康な歯を削る、場合によっては神経を取り除くなど、デメリットもあるため慎重に検討しましょう。

虫歯治療で削った歯を補う材料としては、セラミックは非常に優れています。精度の高いセラミック治療は虫歯の再発を防ぎ、長期的に歯の健康を維持できます。

天然歯と同様の透明感のある色調を再現できるため、見た目も美しく保つことが可能です。

セラミックの種類

セラミックにはさまざまな種類があります。主に用いられるセラミックの種類を確認しましょう。

オールセラミック

オールセラミックは、セラミックのみを用いた治療法です。

オールセラミックの大きなメリットは、見た目の自然さです。オールセラミックは天然歯と見分けがつかないほど自然な色合いを再現でき、天然歯との境目も非常に美しく仕上がります。

セラミック素材は汚れが付着しにくく、長期間美しい状態を保つことも可能です。金属アレルギーのリスクがないため、金属アレルギーを持つ方でも安心して使用できるでしょう。

デメリットは、強い衝撃を受けた際に割れる可能性があることです。噛み合わせの強い部分や、硬いものを頻繁に噛む方は注意が必要でしょう。

ハイブリッドセラミック

ハイブリッドセラミックは、セラミックと歯科用プラスチックを混合した材料です。

ハイブリッドセラミックは、セラミックに近い美しさを再現できるため、見た目の自然さが求められる歯の治療に用いられます。セラミックよりも柔らかいため、噛み合わせる歯を傷つけるリスクも低いでしょう。

比較的安価なので、コストを抑えたい場合にも適しています。オールセラミック同様、金属アレルギーの心配はありません。

しかし、ハイブリッドセラミックは、変色やすり減りが起こりやすい傾向にあります。そのため、長期的な耐久性を重視する場合は注意が必要です。

メタルボンド

メタルボンドは、内側のフレームに金属を使用し、外側にセラミックを焼き付けた被せ物です。天然歯に近い審美性と、高い耐久性を実現しています。

メタルボンドの主なメリットは、天然歯に近い美しさを再現できる点です。外側のセラミックは天然歯と似た外観を持ち、口元の美しさを保つことができます。

内側の金属フレームによって耐久性を高めていることも特徴でしょう。

デメリットとしては、金属アレルギーのリスクが挙げられます。内部の金属フレームが原因でアレルギー反応を引き起こす可能性があるため、金属アレルギーがある方は避けたほうがよいでしょう。

e-max

e-maxは、二ケイ酸リチウムガラスを使用したセラミックの一種です。オールセラミックに比べて、高い透明感と耐久性を兼ね備えています。

e-maxの最大のメリットは、透明感と自然な美しさです。天然歯と見分けがつかないほどの自然な色合いを再現でき、天然歯との境目もきれいに仕上がります。

セラミック素材特有の汚れが付着しにくい性質を持っており、長期間美しい状態を維持できます。金属アレルギーの心配もなく、幅広く使用できることがメリットでしょう。

e-maxもセラミックなので、強い衝撃を受けると割れる可能性があります。

セラミックの歯が不自然に見える状態とは？

セラミックの歯は、天然歯と見分けがつかないほどの美しい色調を再現できますが、不自然に見えることもあるでしょう。

以下、セラミックの歯が不自然に見える状態をご紹介します。

色が合っていない

セラミック治療を受ける際、白く美しい歯を求める方が多いです。特に、明るいトーンを希望する方が少なくありません。

しかし、天然歯との調和を考慮せずに明るいトーンに調整すると、不自然になるでしょう。極端に白いセラミックの歯は、天然歯と馴染まないのです。

形が合っていない

セラミック治療を行う際、一人ひとり異なる歯の大きさや形を考慮しなければなりません。個々の歯に合った形状でなければ、治療後の見た目が不自然になるリスクがあります。

特に、周囲の歯との調和が取れていない場合、違和感が一層際立つでしょう。

劣化している

セラミック治療にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。

ハイブリッドセラミックにはプラスチックが含まれているため、経年劣化で変色することがあるのです。変色した場合、天然歯との調和を取り戻すためには再治療が必要になります。

ハイブリッドセラミックは比較的安価に行えますが、変色の可能性を理解したうえで選択しましょう。

また、天然歯は加齢に伴って徐々に黄色く変色する傾向があります。セラミックは変色しにくいので、周囲の天然歯が加齢によって変色するとセラミックが目立つかもしれません。

ホワイトニングを行い、セラミックの色に天然歯の色を合わせることで、不自然さを解消できます。

セラミックの歯が不自然にならないためには

セラミックの歯が不自然にならないためには、どのような対策を講じればよいのでしょうか。

歯科医師と十分に話し合う

セラミックで自然な見た目を実現するためには、事前の歯科医師との相談が非常に重要です。治療計画を立てる際は、セラミックの形状について詳細に話し合い、仕上がりの希望を共有してください。

仮歯を使用する場合、仮歯を最終的なセラミックの形状に近づけてもらうように要望しましょう。また、完成したセラミックの歯が想像していたものと異なる場合は、接着する前に必ず歯科医師に伝えてください。患者さまの希望に基づいて、適切な修正が行われます。

隣接する歯と同じ色にする

セラミック治療において、セラミックの色選びは不自然に見えないために最も重要です。

通常、セラミックの歯の型取りを行う際に色を決定します。自然光の下で色を選定しましょう。

自然光の下で色を確認することで、最も実際の口内環境に近い状況で色合いを判断できます。

また、ジルコニア系のセラミックは、同じ色合いでも白く見える傾向があります。メタルボンドは内側が金属なので、色がくすんで見えることがあるでしょう。

セラミックの特性を理解し、天然歯の色とのバランスを考えながら色を選ぶことが重要です。

経年劣化しにくい素材を選択する

ハイブリッドセラミックは、陶材とプラスチックを混合しています。プラスチックの混合が原因で、経年劣化によって変色することがあるでしょう。

見た目を重視する場合は、ハイブリッドセラミックは避けたほうがよいかもしれません。ハイブリッドセラミックは費用が安価ですが、色調が変化しやすいのです。

自然な見た目を長期間保ちたい場合、オールセラミックやジルコニアのような変色しにくい材料が適しています。

まとめ

セラミック治療は、見た目の自然さと機能性を兼ね備えた治療法です。

しかし、周囲の歯と色や形が大きく違えば、美しい歯を作成しても不自然に見えるでしょう。

選択するセラミックの種類によって、経年劣化や変色のリスクが異なります。例えば、ハイブリッドセラミックは経済的ですが、変色しやすいというデメリットがあります。

オールセラミックやジルコニアは変色しにくいですが、費用の負担が大きいでしょう。自然な見た目を長期間維持するためには、経年劣化に強い材料を選択する必要があります。

また、治療前の歯科医師との綿密な相談が、自然な仕上がりを実現するためには欠かせません。セラミックの歯が不自然に見えないように、周囲の歯とのバランスに気をつけましょう。

セラミック治療を検討されている方は、埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。