こんにちは。埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」です。
セラミックは銀歯に比べて審美性が高く、虫歯治療の選択肢のひとつとして選ばれることが増えています。見た目の美しさだけでなく、セラミックには虫歯になりにくいなど多くの優れた特徴があるため、見た目を気にされない方であっても選択するメリットがあります。
今回は、セラミックが虫歯になりにくい理由や、虫歯治療にセラミックを選択するメリット・デメリットを解説します。
銀歯が虫歯になりやすい理由
銀歯がセラミックよりも虫歯になりやすい理由は、主に以下の4つです。
- 汚れが付着しやすい
- 銀歯と歯の境目に段差が生じる
- 温度の影響を受けやすい
- 劣化しやすい
詳しく解説します。
汚れが付着しやすい
銀歯はセラミックに比べて汚れが付着しやすい性質を持ちます。
セラミックや天然歯のように表面が滑らかではないため、虫歯の原因となるプラークが付着しやすいのです。残ったプラーク内で細菌が増殖するため、虫歯のリスクが高まります。
銀歯と歯の境目に段差が生じる
保険診療で作製する銀歯は、自費診療のセラミックほど精密に作ることができません。見た目はしっかりと合っているように見えても、目に見えないわずかな段差があります。
プラークが溜まりやすく細菌が侵入するため、虫歯になりやすいのです。
温度の影響を受けやすい
銀歯は金属でできているため、口の中の温度によってわずかな膨張と収縮を繰り返します。
熱い食べ物や飲み物に触れると膨張し、冷たい食べ物や飲み物に触れると収縮します。膨張と収縮を繰り返すことにより、銀歯と歯の間にわずかな隙間が生じるのです。
劣化しやすい
銀歯は、セラミックに比べて劣化しやすい素材です。唾液や口にする食べ物や飲み物の影響を受けて酸化・腐食するためです。
金属が劣化すると徐々に溶けだし、銀歯と歯の間に隙間ができる可能性があります。
また、銀歯と歯を接着する際に使用するセメントも劣化します。時間の経過とともに溶け出し、銀歯と歯の間の隙間ができて虫歯の原因となるでしょう。
セラミックは虫歯になりにくいって本当?
セラミックで治療した歯が虫歯になりにくい理由は、主に以下の3つです。
- 汚れが付着しにくい
- 温度の影響を受けない
- 劣化しにくい
詳しく解説します。
汚れが付着しにくい
セラミックは表面が滑らかでツルツルしているので、汚れが付着しにくいです。汚れが付着しても歯ブラシで落としやすいでしょう。
また、年数が経ってもセラミックの表面が粗くなることはありません。虫歯の原因となるプラークが蓄積しにくく、虫歯になりにくいです。
温度の影響を受けない
セラミックは口の中の温度の影響を受けません。食べ物や飲み物の温度の影響で変形することがないため、長い間使用していても歯とセラミックの間に隙間が生じにくいです。
劣化しにくい
セラミックは酸化や腐食に強い陶器と同じ素材のため、劣化しにくく変形を起こしません。歯との密着性も高いため、隙間が生じにくいことが虫歯になりにくい理由の1つです。
歯の治療にセラミックを選択するメリット
セラミックは銀歯に比べて虫歯になりにくいだけではなく、さまざまなメリットがあります。
- 審美性が高い
- 歯茎が変色しない
- 金属アレルギーの心配がない
- 歯周病になりにくい
詳しく解説します。
審美性が高い
セラミックは天然歯と極めて近い透明感があり、自然な色とツヤを再現できます。
治療したことが一目でわかる銀歯や保険適用の被せ物に比べて、セラミックは近くで見ても天然歯と見分けがつかないほど自然に仕上がります。変色の心配もないため、長期間美しい見た目を保てます。
審美性の高さは見た目の印象を左右するため、大きなメリットと言えるでしょう。
歯茎が変色しない
金属は劣化により溶け出すことがあります。金属が溶けだし歯茎に染み込むと、歯茎が黒ずむ原因となります。
とくに前歯の場合は、歯茎が変色すると目立つので気になる方が多いでしょう。セラミックは金属を使用しないため、歯茎が変色する心配がありません。
金属アレルギーの心配がない
セラミックは金属を使用しない陶器と同じ素材のため、金属アレルギーの心配がありません。もともと金属アレルギーをお持ちの方でも、安心して治療できるでしょう。
歯周病になりにくい
セラミックは、虫歯だけでなく歯周病にもなりにくいです。
歯周病は、歯を支えている骨が溶けていき、放っておくと最終的には歯が抜け落ちてしまう病気です。歯周病の原因は、プラークの蓄積などによる歯周病菌の増殖です。
セラミックはプラークや汚れが付着しにくく、付着しても歯磨きで落としやすい特徴があります。汚れが付着しにくいので、虫歯になりにくいと同時に歯周病にもなりにくいのです。
歯の治療にセラミックを選択するデメリット
セラミックを選択するメリットはたくさんありますが、デメリットも知っておきましょう。
- 強い衝撃で割れる可能性がある
- 歯を削る量が多くなる場合がある
- 自費診療のため費用が高い
詳しく解説します。
強い衝撃で割れる可能性がある
セラミックは、陶器と同じように強い衝撃を受けると割れることがあります。お皿を高いところから落とすと割れてしまうように、セラミックに強い衝撃が加わると割れる可能性があります。
事故や転倒による衝撃のほかに、歯ぎしりや食いしばりの癖によって日常的に大きな力がセラミックに加わると、割れる可能性があるのです。
歯を削る量が多くなる場合がある
セラミックは衝撃を受けると割れる可能性があるため、ある程度の厚みを持たせて強度を上げる必要があります。そのため、必然的に歯を削る量が多くなります。
銀歯の場合でも歯を削る必要がありますが、金属は薄くても割れることがありません。歯を削る量がセラミックより少ないことが多いです。
歯を削る量を気にされる方にとってはデメリットとなるでしょう。
自費診療のため費用が高い
セラミックは自費診療のため、保険適用の銀歯や被せ物に比べて費用が高いです。
詰め物か被せ物かによっても費用が異なりますが、1本あたり5万~15万円ほどかかるでしょう。自費診療は、歯科医院によっても費用に差があります。
セラミックの歯を長持ちさせる方法
セラミックで治療した歯を長持ちさせるには、以下の3つが大切です。
- 毎日の正しいお手入れ
- 定期的な歯科医院での検診
- 歯ぎしり・食いしばりの改善
詳しく解説します。
毎日の正しいお手入れ
セラミックは虫歯や歯周病になりにくい特徴があります。毎日の歯磨きや正しいお手入れができてこそ、その特徴が活かされます。汚れが付着しにくいセラミックであっても、毎日のお手入れを怠ると汚れが蓄積し、虫歯や歯周病のリスクは高まります。
歯ブラシと併用して、歯間ブラシやデンタルフロスを使用することも大切です。歯間ブラシやデンタルフロスは、歯ブラシだけでは取り切れない歯と歯の間の汚れを取り除けるツールです。
使用することで、セラミックをより長持ちさせることにつながるでしょう。
定期的な歯科医院での検診
セラミックを長持ちさせるには、毎日の正しいお手入れを続けることに加えて、定期的に歯科医院で検診を受けることも大切です。
歯科医院で行うクリーニングでは、歯ブラシだけでは落としきれない歯石や着色を除去してもらえます。ブラッシングなどの指導もしてくれるので、自宅での正しいお手入れ方法も学べるでしょう。
治療したセラミックの状態や噛み合わせのチェックも行います。セラミックの不具合や、虫歯・歯周病の早期発見・早期治療につながります。
歯ぎしり・食いしばりの改善
歯ぎしりや食いしばりの癖は、就寝中や集中しているときなど無意識に行っていることがほとんどです。
1本の歯にかかる負担は70kg~100kgほどともいわれており、日常的にこの負担がセラミックにかかり続けると破損する可能性が高まります。セラミックだけでなく、天然歯への影響も大きいでしょう。
歯ぎしりや食いしばりは無意識に行っているので、就寝時にナイトガードを使用するとよいでしょう。歯ぎしりや食いしばりの負担から、セラミックと歯を守ることができます。
まとめ
セラミックは汚れが付着しにくく歯との密着性が高いです。銀歯のように隙間から細菌が侵入する心配が少なく、虫歯になるリスクを減らせます。
セラミックは自費診療のため費用が高いといったデメリットがありますが、審美性の高さや金属アレルギーにならないなど多くのメリットがあります。毎日の正しいお手入れと定期検診をきちん行うことで、セラミックをより長く快適に使用できるでしょう。
セラミック治療を検討されている方は、埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。