こんにちは。埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」です。
奥歯の治療で被せ物をセラミックにすれば、自然で美しい仕上がりが期待できます。また、セラミックには審美性の高さ以外にも、虫歯になりにくいなどのメリットがあります。
一方、強い力が加わる奥歯にセラミックを用いたとき、耐久性に問題はないか気になる方もいらっしゃるでしょう。
今回は、奥歯をセラミックにするメリットについて詳しく解説します。奥歯に適したセラミックの種類もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
奥歯をセラミックにするメリット
奥歯をセラミックにするメリットを確認しましょう。
審美性の高さ
セラミックは単に白いだけでなく、歯の持つ透明感を再現できます。天然歯と見分けがつかないほどの美しい仕上がりが期待できます。
歯の神経を抜いた後や、ホワイトニングで理想の白さにならなかった場合でも、セラミックを被せれば理想的な歯の色合いを実現できます。抗生物質の服用などで変色した奥歯でも、セラミックなら自然な白さを取り戻すことができます。
セラミックの被せ物の寿命は長く、10年近く長期にわたって美しい白さを保つことができるでしょう。お手入れ次第では、さらに長持ちさせることも可能です。
金属製の詰め物や被せ物を使うと、金属が溶け出して歯茎が黒ずむ可能性があります。セラミックなら金属が溶け出すことはありません。
変色を防ぎ、健康的で清潔感のある歯茎を維持することができます。
虫歯の再発リスクが低い
金属製の詰め物は、年数が経つと歯との間に隙間ができることがあります。隙間から細菌が入り込み、虫歯が再発するリスクがあるのです。
セラミックは歯と隙間ができるリスクが比較的低く、細菌の侵入を防ぎ、虫歯の再発を抑える効果が期待できます。また、セラミックは表面がツルツルしており、汚れがつきにくいのも特徴です。
虫歯治療の回数を減らせば、歯の寿命を延ばすことにつながります。
金属アレルギーの心配がない
セラミックは、金属を使用しない素材です。金属アレルギーの方でも安心して使用できます。
奥歯をセラミックにするデメリット
奥歯をセラミックで治療するデメリットについても確認しておきましょう。
割れる可能性がある
瞬間的に強い力が加わったり、硬いものを強く噛んだりするとセラミックが割れる可能性があります。一度割れると修理は難しく、作り直しが必要になることが多いです。
金属製の銀歯に比べると、セラミックは強度や耐久性では劣ります。長期間使い続けた場合、徐々に細かな亀裂が入ったり一部が欠けたりするリスクがあります。
頑丈なセラミック素材もありますが、割れる心配が全くないわけではありません。特に、歯ぎしりや、強く噛みしめる習慣がある人は、セラミックが割れるリスクが高くなります。
費用が高額になる
セラミックを使った歯科治療は、ほとんどの場合が保険適用外です。費用の全額が自己負担となり、保険適用の銀歯に比べると高額になるでしょう。
また、セラミックを長く使い続けられたとしても、10年以上経過したり破損したりすれば再治療が必要です。その際にも初回の治療と同等の費用がかかるでしょう。
歯を多く削る必要がある
セラミックを装着する際には、強度と耐久性を確保するため一定の厚みが必要となります。そのために、生えている歯の表面を削る必要があります。
歯を多く削れば削るほど、歯の寿命が短くなります。
神経を抜く場合がある
虫歯が進行して歯の神経までダメージが及んでいる場合、セラミックを装着する前に神経を取り除きます。神経を取り除く処置後、痛みを伴うことがあります。
ただし、これはセラミックを素材として選んだ場合に限りません。どの素材を選んだとしても、虫歯が進行した奥歯の治療を行うときに生じるデメリットです。
再治療が必要になることがある
セラミックを装着しても、その後一生治療をせずに過ごせるわけではありません。一度治療した歯が虫歯になる二次カリエスが発生したり、歯周病が進行して歯茎が下がってきたりすると、再度セラミックの取り替えが必要になることがあります。
ただし、銀歯に比べればセラミックのほうが虫歯の再発リスクは低いです。定期的な歯科検診と毎日のブラッシングなどの口腔ケアを欠かさずに行えば、セラミックを長持ちさせられます。
奥歯に適したセラミックの種類
奥歯は咀嚼時に大きな力がかかるため、選択する素材には強度と耐久性が求められます。また、見た目の自然さや金属アレルギーへの配慮も重要な要素です。
奥歯に適したセラミックの種類にはどのようなものがあるのか確認しましょう。
ジルコニアセラミック
ジルコニアセラミックは、ジルコニウムの酸化物を主成分とするセラミック素材です。非常に高い強度を持ち、天然歯と同等の咀嚼力に耐えられます。また、金属を含まないため金属アレルギーの心配もありません。
ジルコニアセラミックであれば、自然な歯の色と光沢を再現しながら長期間にわたって機能性を保つことができるでしょう。
一方、ジルコニアセラミックのデメリットとして費用の高さが挙げられます。高品質な素材なので、後述するメタルボンドや他のセラミック素材に比べて高額です。
メタルボンド
メタルボンドは、金属とセラミックを組み合わせた被せ物です。内部の金属フレームが強度を維持し、外側のセラミックが自然な見た目を実現します。高い耐久性と適度な審美性を兼ね備えた素材です。
メタルボンドの最大のメリットはその強度です。金属フレームの支えがあるので、長期間にわたる使用においても形状を保ち機能を維持します。
メタルボンドのデメリットとしては、金属アレルギーのリスクが挙げられます。また、セラミックのみのクラウンに比べると、金属を使用している分透明感や色の自然さでは劣ります。
オールセラミック
オールセラミックは金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がなく最も美しい仕上がりを期待できます。オールセラミックは透明感が高く、天然歯と似た光沢や色を再現できます。
ジルコニアセラミックやメタルボンドほどの強度はないものの、奥歯の使用に耐えられるだけの強度はあります。
ただし、費用が高額になる点はデメリットです。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジン(プラスチック素材)を組み合わせた素材です。金属を使用しないため金属アレルギーの心配がなく、費用を安く抑えられるメリットがあります。
ただし、ハイブリッドセラミックの審美性や耐久性は他のセラミック素材に劣ります。
奥歯をセラミックにする場合の費用
奥歯をセラミックにする場合の費用は、使用するセラミックの素材によって異なります。クラウン(被せ物)の1歯あたりの費用の目安は、次の通りです。
- メタルボンド:8万~15万円
- ジルコニアセラミック:12万~18万円
- オールセラミック:8万~18万円
- ハイブリッドセラミック:4万~12万円
なお、インレー(詰め物)の1歯あたりの費用の目安は2万5,000円~10万円ほどです。ジルコニアセラミックなら5万~10万円程度、ハイブリッドセラミックなら2万5,000円くらいから治療できます。
まとめ
奥歯をセラミックにすると、美しい見た目を手に入れられるだけでなく、二次カリエスによる再治療のリスクを抑えられるメリットも得られます。
一般的に、奥歯は前歯ほど審美性の高さを求められません。奥歯は強く噛みしめる部位なので、しっかり噛めるかどうか、衝撃で割れてしまわないかといった機能性がより重要になります。
セラミックは強度の低い素材ではないため、奥歯に使用しても簡単に割れてしまうことはないでしょう。
ただし、もともと噛みしめる力が強い、歯ぎしりがあるといった場合などは、強度の高い素材を選ぶ必要があります。歯科医師と相談しながら、審美性の高さ、十分な強度と耐久性、そして予算も考慮して自分に合った治療を選択するようにしましょう。
セラミック治療を検討されている方は、埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。