こんにちは。埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」です。
歯の詰め物は、さまざまな原因によって変色することがあります。「歯の詰め物が変色しても放置していいの?」「歯の詰め物が変色したときはどのように対処すればよいの?」などの疑問をお持ちの方がいるのではないでしょうか。
歯の詰め物が変色したときは原因に応じて対処する必要があります。
今回は、歯の詰め物が変色する原因と対処法について解説します。歯の詰め物が変色してお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
歯の詰め物が変色する原因とは?
歯の詰め物が変色する原因にはいくつかあります。
歯の詰め物が変色するおもな原因は、以下の4つです。
- 素材の経年劣化
- 金属の溶け出し
- 飲食物やタバコによる着色
- 虫歯の再発
それぞれ詳しく解説します。
素材の経年劣化
詰め物の治療に保険が適用されるレジンというプラスチックの素材を使用している場合、長期間使用すると劣化して変色することがあります。プラスチックは吸水性があるため、詰め物が水分を吸収して膨張し、変色するのです。
また、長期間使用すると詰め物と歯の間にすき間ができ、汚れが溜まって詰め物と歯の境目が変色することもあります。
レジンは白い素材なので目立ちにくく、保険が適用されるため費用が安いというメリットがありますが、経年劣化により変色するリスクがあることを理解しておきましょう。
金属の溶け出し
詰め物に銀歯を使用している場合、歯や歯茎が黒っぽく変色することがあります。金属は長期間使用すると金属の成分が溶け出すことがあるためです。また、素材の劣化により歯との間に隙間や段差が生じ、汚れが溜まって詰め物と歯の境目が変色することもあります。
銀歯は保険が適用されるため費用は安いですが、寿命は5〜7年程度と短いです。金属の溶け出しや素材の劣化により短期間で再治療が必要になる可能性もあるでしょう。
飲食物やタバコによる着色
飲食物やタバコが原因で歯の詰め物が変色することがあります。紅茶やコーヒー、赤ワイン、カレーなどの色が濃い飲食物や、タバコのヤニは詰め物や歯の変色リスクを高めるのです。
飲食物やタバコによる着色は、食後の歯磨きを徹底することや定期的に歯科医院でクリーニングを受けることで、ある程度は除去できるでしょう。
虫歯の再発
詰め物と歯の境目が茶色く変色している場合は、虫歯が再発している可能性があります。詰め物が劣化して詰め物と歯の間にすき間や段差が生じると、そこから細菌が侵入して虫歯が再発する可能性があるのです。
着色や劣化による変色であれば大きな問題はありませんが、虫歯が再発していることで詰め物と歯との境目が変色している場合は早急に治療が必要です。
虫歯の再発は「二次カリエス」と呼ばれ、過去の虫歯治療でエナメル質を削った部分にできるため進行が早いです。詰め物の下で気づかないうちに進行して重症化していることも少なくありません。
重度になると神経を抜く治療や抜歯が必要になることもあるため、早期発見・早期治療が重要です。
歯の詰め物が変色しても放置して大丈夫?
歯の詰め物の変色を放置すると、口腔内のさまざまなトラブルの原因になります。詰め物が変色しても痛みなどの症状がないため放置しがちですが、自己判断は禁物です。
虫歯が再発していた場合、放置すると進行して強い痛みが出現し、神経を抜く治療や抜歯が必要になる可能性があります。大切な歯を失うおそれもあるため、詰め物が変色したときは自己判断せずに早めに歯科医院を受診しましょう。
歯の詰め物が変色したときの対処法
歯の詰め物が変色したときは原因に応じた対処が必要です。
歯の詰め物が変色したときの対処法は、以下のとおりです。
- 虫歯を治療する
- 詰め物を取り換える
- セラミック治療を受ける
- 歯科医院で歯のクリーニングを受ける
それぞれくわしく解説します。
虫歯を治療する
上述のとおり、詰め物と歯との境目が変色した場合は虫歯になっている可能性があります。詰め物の変色の原因が虫歯の場合は、できるだけ早く虫歯治療を開始しましょう。虫歯を放置して重症化すると、神経を抜く治療や抜歯など大がかりな治療が必要になるためです。
詰め物の変色だけでなく、歯肉の腫れや痛みなどの症状がある場合も虫歯が再発している可能性が高いです。早めに歯科医院を受診して診察を受けましょう。
詰め物を取り替える
詰め物の変色の原因が劣化の場合は、新しいものに取り替えることで対処できます。
費用は詰め物の素材によって異なりますが、レジンは1本あたり1,500円程度、銀歯は1本あたり3,000円程度です。保険が適用される素材は比較的安価ですが、経年劣化により再び変色するリスクがあることを理解しておきましょう。
セラミック治療を受ける
詰め物にセラミックを選択すれば、長期間美しい白さを維持できます。
詰め物を取り替えるときに保険が適用されるレジンや銀歯で治療すると費用を抑えられる一方、経年劣化や虫歯の再発により再び変色するリスクが高いです。治療してすぐには問題がなくても、短期間で再治療が必要になるでしょう。
虫歯が何度も再発すると治療のたびに歯を削ることになり、歯の寿命を縮めることにもつながります。
一方、セラミックは経年劣化しにくく、また変色しにくい素材です。寿命も10〜15年程度と保険の素材よりも長く、十分なセルフケアと適切なメンテナンスにより長期間使用が可能です。
表面が滑らかで汚れが付着しにくく、細菌が入り込むすき間や段差も生じにくいため虫歯の再発リスクも低いといわれています。
保険が適用される素材と比べると費用は高額ですが、そのぶんメリットも多い治療法です。詰め物の再治療が必要になったときは、治療の選択肢について歯科医師に相談しましょう。
歯科医院で歯のクリーニングを受ける
歯科医院では歯の表面についた歯垢や着色汚れを取り除く「PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)」という専門的な歯のクリーニングを受けられます。
飲食物やタバコのヤニなどによって歯の詰め物に付着した着色汚れを専用の機器を用いて除去することで、本来の白さを取り戻すことができる可能性があります。
PMTCでは、磨き残したプラークやふだんの歯磨きでは落とせない歯石も除去できるため、虫歯や歯周病、口臭の予防にも効果的です。
まとめ
歯の詰め物は素材の劣化や虫歯、飲食物による着色汚れなどにより変色します。とくに、保険が適用されるレジンは経年劣化により着色しやすく、虫歯の再発リスクも高いです。
詰め物が変色したときは詰め物を新しく作り直すことができますが、保険が適用される素材を選択すると、再び変色するリスクがあることを理解しておきましょう。
再治療や虫歯の再発リスクを抑えたい方は、詰め物の治療にセラミックを選択するのもよいでしょう。セラミックの歯は経年劣化しにくいため、白く美しい歯を長期間維持できます。保険が適用されないため費用は高額ですが、そのぶん多くのメリットがある治療法です。
詰め物の変色の原因が着色汚れであればPMTCという専門家による歯のクリーニングを受けることで除去できる可能性もあるため、変色が気になる方は歯科医院で相談してみましょう。
セラミック治療を検討されている方は、埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。