こんにちは。埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」です。

銀歯がしみることで、不安になる方は少なくありません。「治療したのになぜ？」「治療に問題があるのでは？」と思うこともあるでしょう。銀歯がしみる原因は、昔に治療した歯か治療してすぐの歯かによって異なります。

本記事では、銀歯がしみるときに考えられる原因や対処法について解説します。しみるのを防ぐ方法についても説明しますので、銀歯を入れている方はぜひ最後までお読みください。

昔に入れた銀歯がしみる原因

昔に入れた銀歯がしみる場合は、下記の3つの原因が考えられるでしょう。

• 2次う蝕が進行している
• 知覚過敏になっている
• 歯ぎしりや食いしばりがある

当項目では、それぞれの原因について解説します。

2次う蝕が進行している

2次う蝕とは、一度虫歯の治療をしたところが再度虫歯になることです。

銀歯に使用する金属は時間の経過とともに溶け出すため、歯と銀歯の間に隙間ができます。隙間にプラークが溜まり、銀歯の中に入り込むと虫歯の原因になります。

2次う蝕が進行することで痛みが出て、熱いものや冷たいもの、甘いものを口にしたときにしみるようになるのです。

知覚過敏になっている

銀歯が入っている歯が知覚過敏になっていると、痛みを感じます。知覚過敏とは、歯茎が下がって歯根が出てきたり、エナメル質が薄くなったりすることで、神経に刺激が伝わって痛みが出る症状です。

銀歯が入っている歯は天然歯に比べてプラークが溜まりやすいので、歯周病になりやすく、歯茎が下がる可能性があります。

また、銀歯の噛み合わせが悪く、歯ぎしりや食いしばりがある場合も歯茎が下がります。歯茎が下がって歯根が出てくると、歯がしみるリスクが高くなるでしょう。

歯ぎしりや食いしばりがある

上記と少し重複しますが、歯ぎしりや食いしばりがあると歯茎が下がり知覚過敏になるリスクが高くなるため歯がしみます。また、銀歯が入っている歯に負担がかかり、歯がしみるような痛みを感じることもあるでしょう。

あまりにも歯ぎしりや食いしばりが強いと、歯が欠けてしみることもあります。

治療してすぐに銀歯がしみる原因

治療した直後からしばらく銀歯がしみることも少なくありません。治療してすぐなのに歯がしみる場合は、次の原因が考えられます。

• 神経が過敏になっている
• 神経をなるべく残す治療をするため
• 銀歯は熱伝導がよいため

それぞれの詳しく見ていきましょう。

神経が過敏になっている

歯の治療をした後、しばらくの間は神経が過敏になっています。そのため、普段なら感じないちょっとした刺激に反応して歯がしみる可能性が少なくありません。虫歯の治療をする際は、虫歯を取り除いたり、外れにくい銀歯を作ったりするために歯を削ります。

特に、虫歯が深いと神経に近い位置まで削る必要があるため、少なからず神経を刺激します。そのため、しばらくの間神経が過敏になりしみる可能性があるのです。多くの場合、2〜3日でしみる症状は治るでしょう。

神経をなるべく残す治療をするため

歯科医師は、虫歯の治療の際にできるだけ神経を残すように治療します。神経を取るのは簡単ですが、神経のない歯の寿命は短くなるからです。

虫歯が深く神経に近くなればなるほど、虫歯を削った際の刺激は神経に伝わります。また、入れた銀歯が神経に近くなるため、しみたり痛みを感じたりするリスクが高くなるでしょう。

銀歯は熱伝導がよいため

銀歯は、合金パラジウムという金属でできています。金属は熱伝導がよいので、冷たいものや熱いものなどを食べたときに温度が神経に伝わりやすいです。

そのため、極端に冷たいものや熱いものを食べた瞬間に、しみたり痛みを感じたりするケースも少なくありません。

銀歯がしみるときの対処法

昔に入れた銀歯がしみる場合は、原因を診断するためにもできるだけ早く歯科医院に行って処置を受けたほうがよいでしょう。

しかし、治療してすぐの歯は2〜3日程度様子を見ると、症状が治ることが少なくありません。その際は、下記の対処法を試して経過観察しましょう。

熱いものや冷たいものを避ける

神経が敏感になっている時期なので、神経が落ち着くまでの間は熱いものや冷たいものを避けましょう。また、極端に硬い食べ物も治療した銀歯で噛まないほうがよいでしょう。

できるだけ柔らかい食べ物を選び、銀歯ではない部分で噛んでください。

丁寧に歯磨きする

丁寧に歯磨きをして、様子を見ましょう。強い力でゴシゴシこすったり、硬い歯ブラシを使ったりすると、刺激が強すぎて痛みを感じる可能性も少なくありません。

とはいえ、プラークをしっかりと落として清潔にする必要もあります。毛先を歯面に当てた後、優しい力で小刻みに動かすことを意識してください。

また、歯ブラシの毛先でしみる場合は、タフトブラシを使用するとよいでしょう。

できるだけ休息を取る

できるだけ休息を取り、夜は早めに寝るなどして安静にしましょう。免疫力が上がることで、回復力が早くなるので痛みやしみる症状も改善するかもしれません。

ストレスや過度の疲れがあると、回復力が下がって歯に痛みを感じるリスクも高くなります。

銀歯がしみるときの治療法

昔に治療した銀歯がしみる場合や、2〜3日経過しても症状が改善されない場合、もしくは症状が悪化している場合は、歯科医院を受診して治療を受けましょう。銀歯がしみる場合の治療法は、次のとおりです。

神経を取った後に根管治療をする

痛みが治らない場合は、麻酔をして歯の神経を取って根管治療をします。根管治療とは、神経や血管を抜いて根管を消毒する治療です。その後、神経があった場所に詰め物をします。

神経を残すことを意識して治療していた場合でも、神経の痛みが治らないのであれば取らざるを得ないでしょう。神経を抜けば痛んだりしみたりする症状はなくなります。

銀歯を他の素材に変えて様子を見る

銀歯の熱伝導がよいことが原因でしみる症状が出ている場合は、銀歯を他の素材に変えることで対応できるでしょう。例えば、セラミックや歯科用レジンの歯に変更できます。金属製でないため、温度がダイレクトに神経に伝わりません。

セラミックの場合は時間が経過しても溶け出すことがないため、歯と詰め物との間に隙間ができにくいでしょう。セラミックは保険適用外のため、治療費が高くなります。

また、銀歯よりも耐久性が低いため、詰め物・被せ物を厚く作らなければなりません。そのため、天然歯を多く削る必要があります。

歯科医師と相談しつつ、素材を決める必要があるでしょう。

マウスピースをつける

歯ぎしりや食いしばりがあることが判明した場合は、まず噛み合わせを確認して強く当たっている部分を調整します。その後、様子を見ながら、必要であればマウスピースを作成するでしょう。

マウスピースをつければ歯に直接刺激が伝わらなくなるため、しみたり痛みを感じたりするリスクが減ります。

銀歯がしみるのを防ぐ方法

銀歯がしみる前から、しみるのを防ぐことも大切です。治療した後のよい状態を長くキープするために、下記のことに気をつけましょう。

普段から口腔ケアを徹底する

普段から口腔ケアを意識し、正しい方法で丁寧に歯を磨きましょう。銀歯が入ると、銀歯と歯の間に微妙な段差ができるため汚れが溜まりやすいです。

フロスや歯間ブラシ、タフトブラシなど歯ブラシ以外のツールも使って磨くと、歯ブラシだけでは落としきれない汚れを綺麗に落とせます。

定期検診を受ける

定期検診で、銀歯を入れた部分や他の部分に問題がないか確認することも大切です。虫歯や歯周病は、初期段階では自覚症状がありません。これらを早期に発見し治療することが非常に重要です。

また、定期検診では噛み合わせの確認なども行うので、痛んだりしみたりする前に対応できるかもしれません。知覚過敏の場合でも、薬を塗って対応してもらえるでしょう。

まとめ

銀歯がしみるときには、昔に治療した部分なのか、治療したばかりの歯なのかによって対処方法が異なります。治療したばかりの歯がしみる場合は、刺激を与えないことを意識して安静にすごして様子を見ましょう。

昔に治療した歯が痛む場合は、2次う蝕や歯周病の可能性が考えられます。原因を知り、早く治療するために歯科医院を受診したほうがよいでしょう。

普段から定期的に検診を受けていれば、自覚症状が出る前に問題に対応できます。

銀歯がしみてお悩みの方は、埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。