こんにちは。埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」です。
セラミック歯は、見た目の美しさや機能性の高さなど、多くのメリットがある人工歯です。
しかし、セラミック歯は値段が高いため、選択を躊躇してしまう方も多いでしょう。
この記事では、セラミック歯が高価である理由と、それでも選ばれ続ける理由を解説します。セラミックの歯の費用負担を抑える方法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
セラミック歯の値段
セラミック歯には、さまざまな種類が存在します。それぞれの特徴と値段をご紹介します。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックは、レジン(歯科用プラスチック)にセラミックの微粒子を混ぜ合わせた素材です。
レジンを含んでいるためコーヒーやタバコのヤニで変色しやすく、時間が経つと劣化することがあります。また、表面が傷つきやすいためプラークが付着しやすく、虫歯になるリスクが高いというデメリットもあります。
2014年からは保険が適用されるようになり、条件を満たせば治療費の3割を負担するだけで治療を受けられるようになりました。レジンが含まれているため柔軟性があり、他の硬い素材と比べて噛み合う歯を痛めにくいというメリットがあります。
値段は4~12万円が相場です。
オールセラミック
オールセラミックは、完全にセラミック(陶器)だけで作られる人工歯です。天然の歯に近い透明感と光沢があり、審美性が非常に高いため前歯の治療に使用されることが多いです。
オールセラミックは年月が経っても変色しにくく、長期間にわたり白く美しい歯を保つことが可能です。また、金属を使用していないので金属アレルギーを持つ人でも安心して使用できます。
ただし、オールセラミックは金属やジルコニアよりも強度が低いです。歯ぎしり・食いしばりをする人や、強い力がかかる奥歯にはあまり適していません。
値段の相場は8~18万円でしょう。
ジルコニア
ジルコニアは、人工ダイヤモンドとも言われるジルコニアを使った非常に硬い素材です。金属に匹敵するほどの強度があるため、歯ぎしりや食いしばりがある人や奥歯の治療に選択されることが多いです。
ジルコニアも金属を含まないため、金属アレルギーを持つ人でも安心して使用できます。従来の歯科用金属に比べて約3分の1の重量しかなく、非常に軽いのも特徴です。
ただし、ジルコニアは非常に硬いため、研磨や調整が難しいというデメリットがあります。調整が不十分な場合はプラークが溜まりやすく、虫歯のリスクが高まる可能性があるでしょう。
また、透明感が少なく真っ白な見た目のため、自然さはオールセラミックに劣ります。
値段は12~18万円が相場です。
メタルボンド
メタルボンドは、内部に金属を使い、外側をセラミックで覆う人工歯です。セラミックだけのものより強度が高く、割れや欠けの心配が少ないのが特徴です。力が強くかかる奥歯に使用されることが多いです。
ただし、メタルボンドには金属が含まれているため、金属アレルギーのある人には使用できません。使用している金属が原因で、歯茎が黒く変色することもあります。
費用の相場は8~15万円です。
ラミネートベニア
ラミネートベニアは、歯の表面のエナメル質を0.3~0.7mmほど削り、その上にセラミック製の薄い板を貼り付ける治療法です。ホワイトニングでは改善しづらい歯の変色や、すきっ歯や矮小歯などの見た目の問題を解消できます。
通常の被せ物よりも歯を削る量が少ないため、歯にかかる負担を減らすことができます。歯を移動させたり何度もホワイトニングを受けたりする必要がないので、少ない通院回数で見た目を改善できるでしょう。
ただし、ラミネートベニアで使用するセラミックは薄いため、衝撃に弱く割れやすいです。歯ぎしりや食いしばりの癖がある人には向かないでしょう。
値段は、5~15万円が相場です。
セラミック歯が高い理由
セラミック歯が高い理由は、そもそも素材が高価であることや、治療過程が複雑であることなどが関係しています。
材料費が高価である
まず、セラミック素材自体が高価であることが理由の一つです。さらに、普通の保険診療とは違い、特別な型取り材料や接着剤を使用することも、コストを上げる要因になっています。
ただし、高いものが必ずしも自分にとって良いとは限りません。自分の歯の状態やニーズに応じて、セラミックを選ぶことが大切です。
オーダーメイドである
セラミックの詰め物や被せ物は、患者さまの歯の形にぴったり合わせるために一つ一つ手作業で加工します。患者さまの歯の色に合わせて色も調整するので、値段が高くなるのです。
作る過程も細かく複雑で高い技術を要するため、製作にかかる費用が高くなります。高品質なセラミック歯を作るためには専門の技工士の手を借りることが多く、技工士への技術料も値段に反映されます。
保険が適用されない
セラミック歯は、健康保険が使えない自費診療です。保険診療では治療費の1〜3割の負担で治療を受けられますが、セラミック歯の場合は保険が適用されないので、治療費を全額自分で支払う必要があります。
自費診療の場合は歯科医院が治療費を自由に設定できるため、医院によって料金が異なります。そのため、セラミック歯は一般的な治療よりも高額になるのです。
高額でもセラミック歯が選ばれるのはどうして?
高額でもセラミック歯を選ぶ人は多くいます。その理由は、保険適用の人工歯にはないメリットがあるからです。
自然な見た目に仕上がるから
話しているときや笑ったとき、銀歯だと色が目立ってしまうことがあります。セラミック歯の場合、天然の歯と見分けがつかないほど自然に仕上がります。
セラミックの詰め物や被せ物は自分の歯と同じように見えるので、話すときや笑うときにも自信を持てるでしょう。
歯の色調を調整できるから
セラミックは、歯の色を細かく調整できます。ご自身の天然歯よりも更に白い歯が欲しい場合、セラミックは良い選択肢になるでしょう。
特に、将来的に歯のホワイトニングを考えている人や、美しい白い歯を手に入れたい人に選ばれることが多いです。自分の理想とする白さや形を選べるため、美しい歯を実現できるのです。
表面がなめらかで汚れが溜まりにくいから
銀歯は表面に小さな傷がつきやすいです。傷に汚れが入り込みやすいため、歯周病や口臭などのリスクが高まります。
セラミック歯の場合、表面が非常になめらかです。そのため、傷がつきにくく汚れも付着しにくいのです。セラミック歯は長持ちするだけでなく、口内衛生を保つためにも有効な治療法とされています。
虫歯の発症リスクが下がるから
銀歯は、経年劣化によって銀歯と天然歯の間に小さな隙間ができることがあります。できたすき間には食べかすや汚れが溜まりやすく、虫歯の再発につながることもあるでしょう。
しかし、セラミックは口の中で長く使ってもほとんど劣化しません。変形して天然歯との間に隙間ができることが少ないので、虫歯が再発しにくいのです。
金属アレルギーの心配がないから
銀歯を使っていると、金属成分が少しずつ溶け出して、歯や歯茎が黒く変色することがあります。溶け出した金属成分によって、アレルギー反応を起こす人もいます。
セラミック歯は陶器製で金属成分を一切含まないため、歯茎の変色やアレルギーの心配がありません。
セラミック歯にかかる費用の負担を抑える方法
セラミック歯は銀歯やレジンに比べて高額ですが、メリットを考えるとセラミック歯を選びたいと思う人も多いのではないでしょうか。治療にかかる費用を安くすることはできませんが、費用の負担を抑えられる場合があります。
医療費控除を利用する
医療費控除とは、1年間に同一生計の家族全員で支払った医療費が10万円(総所得が200万円未満の場合は総所得金額の5%)を超えると、そのお金の一部を税金から引くことができる制度です。
直接的に安くなるわけではありませんが、他の医療費と合わせて控除を申請すれば年間の税金を少し軽減できるかもしれません。全体的に見ると、支払うお金の負担を減らすことができるのです。
ただし、医療費控除を利用するには条件があります。機能の回復を目的としている治療に限られるので、審美性を高めるための治療は対象外です。
医療費控除を使うときは、医療費のレシートや領収書が必要になるので大切に保管しておきましょう。
ハイブリッドセラミックを選択する
セラミックにはいくつか種類がありますが、比較的安いハイブリッドセラミックを選ぶことで費用の負担を抑えられます。
ただし、ハイブリッドセラミックは他のセラミックと比べると強度が少し劣ります。また、色が変わりやすいというデメリットもあるので、選ぶ際は慎重に考えましょう。
複数の歯科医院を比較検討する
セラミック治療は保険が適用されない自費診療なので、歯科医院によって治療費が異なります。いくつかの医院を比較して、治療を受ける医院を決めることが大切です。
安い費用で治療を提供している歯科医院もありますが、安さだけで選ぶのは危険でしょう。自由に値段を決められるとはいえ、ある程度の相場はあります。
極端に安い価格を謳っている医院は、何らかの問題があるかもしれません。例えば、提示されている治療費が実際にかかる金額の全てではなかったり、使われている材料が低品質だったりする可能性があるでしょう。
料金だけでなく、医院の評判や提供している材料の質もしっかり調べて、安心できる歯科医院を選びましょう。
まとめ
セラミック歯は、美しさと機能性から非常に人気があります。
しかし、値段が高いので選択しようか悩んでいる方も多いでしょう。高額であるにも関わらずセラミック歯が選ばれる理由としては、自然な見た目や長期的な耐久性などが挙げられます。
セラミック歯を選ぶ際は、費用とメリットを総合的に考慮しましょう。複数の歯科医院を比較して、ご自身の希望を叶えられる歯科医院で治療を受けてください。
セラミック歯を検討されている方は、埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。