こんにちは。埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」です。

セラミックの歯は耐久性が高いと知られていますが、何らかの理由で欠けてしまうこともあります。セラミック歯が欠けた場合、どのように対処するべきなのでしょうか。

この記事では、セラミック歯が欠けてしまう原因と、欠けた場合の適切な対処法を解説します。欠けないための予防策についてもご紹介するので、参考にしてみてください。

セラミック歯とは

セラミック歯は、欠けたり亀裂が入ったりした歯を修復するために使用される、美しく丈夫な素材です。透明感と自然な色合いが特徴で、本物の歯と見間違うほどの審美性を持っています。

特に、前歯などの目立つ部分の治療に使用されることが多く、多くの歯科医師がセラミック治療を行っています。

保険適用のコンポジットレジンは吸水性があるので、時間が経つにつれて着色や変色が進み、劣化します。セラミックは劣化しにくく、着色や変色も起こりにくいため、再治療のリスクを減らして歯の健康を長期間保つことが可能です。

セラミック歯は欠けることはある？

セラミック歯は天然歯のような自然な美しさを持ちますが、完全に天然歯のように使えるわけではありません。セラミックを含む人工歯は、割れたり欠けたりする可能性があります。

天然歯は酸に弱く、溶けて虫歯になることがあるのに対し、人工歯は虫歯になることはありません。そのため、天然歯より長く使えると考える方もいます。

しかし、物理的な強度には限界があることを理解しておくことが重要です。

セラミック歯が欠けてしまう原因

セラミック歯が欠けてしまう原因は、強い衝撃が加わることです。具体的な理由について以下に解説していきます。

噛み合わせが悪い

噛み合わせが悪い場合、セラミック歯に不適切な力が加わるので欠けや割れの原因となります。また、噛み合わせが悪いと、顎関節症や頭痛、肩こり、めまいなど、全体的な健康問題につながる可能性もあります。そのためため、適切な治療と調整が必要です。

歯ぎしりや食いしばりがある

セラミック歯が欠ける一般的な原因は、歯ぎしりや食いしばりです。特に、就寝中や集中している際に無意識に行われることが多いです。

通常の噛み合わせよりもはるかに大きな力を歯に加えるとされており、奥歯には最大で100kgの負荷がかかります。歯ぎしりなどは自己認識が難しいため、次のような症状が見られる場合は注意しましょう。

• 起床時に顎に疲労感・強張りを感じる
• 口が開けにくい時がある
• 頬の内側に噛みしめた跡がある

上記の症状があれば、セラミック歯だけでなく天然歯にもダメージを与える可能性があるため、歯科医院を受診して確認してもらいましょう。

硬いものを噛んだ衝撃

通常の食事でセラミック歯が割れることは珍しいですが、非常に硬い食べ物を食べる際には注意が必要です。セラミックは衝撃に弱く、すでに歯ぎしりや食いしばりによって微細なひびが入っている場合、硬いものを噛むことで突然欠けたり割れたりする可能性があります。

外傷

ボールが直接歯に当たるなど、スポーツ中のアクシデントは、セラミック歯が欠けたり、最悪の場合、土台ごと割れてしまったりすることにつながります。特に、前歯にダメージを受けると大きな影響を受けるため、スポーツを行う際はスポーツ用マウスピースを使用しましょう。

セラミック歯が欠けてしまった場合の対処法

セラミック歯が欠けてしまった場合は、以下の対処法をとってください。

欠けたセラミックを保管しておく

セラミックの歯が欠けた場合、その破片を飲み込まないよう注意しましょう。また、捨てずに保管することが大切です。

欠けたセラミックは再利用可能な場合があり、たとえ再利用できなくても修復時の参考資料として活用できます。欠けた部分はジップロックや小さな袋に入れ、なくさないようにしましょう。

また、一般的な接着剤を使用して自己修復しようとするのは避けてください。取り外すのが困難になったり、健康上の問題を引き起こしたりする可能性があります。

欠けた部分の修復は専門的な方法で行う必要があります。間違った方法で修復しようとすると、歯を削らなければならなくなるケースもあるでしょう。

刺激物の摂取を避ける

セラミック歯が欠けてしまった場合、歯に空いた穴が修復されていない状態になります。歯の神経までの距離が近くなり、温度変化に敏感になるかもしれません。

冷たいものや熱いものを口にした際には、しみたり痛みを感じたりするでしょう。修復するまでは、刺激物を避けることが重要です。特に、神経が露出している場合は強い痛みが発生することもあるので注意しましょう。

また、噛む際にはセラミックが欠けた側を避けるなど、負担を減らす工夫も必要です。歯の神経がない状態では痛みを感じることはありませんが、状態を悪化させないためにも早めに歯科医院へ相談してください。

早めに歯科医院を受診する

セラミックの歯が欠けた場合は、できるだけ早く歯科医院を受診することが重要です。欠けた歯を放置すると、虫歯が発生しやすくなります。特に、神経がない歯は痛みを感じにくいため、虫歯の進行に気づきにくいです。

虫歯が進行すると、最悪の場合は抜歯が必要になるでしょう。歯を失うと、入れ歯やブリッジ、インプラントなどの治療が必要になり、高額な治療費や多くの通院が伴います。

そのため、セラミック歯が欠けた際にはすぐに対応することが非常に大切です。

セラミック歯を再作成する

セラミックの歯が大きく欠けるなど、重度の損傷が発生した場合、修理ではなく全てを作り直すことが多いです。セラミック歯は自費診療であり、新しく作るとなると高額な治療費が発生するでしょう。

しかし、セラミック歯には保証期間が設けられていることが多いです。この期間内であれば、無料で作り直しや修理が可能な場合があります。

具体的な保証期間は、セラミックインレー（詰め物）の場合1〜2年、セラミッククラウン（被せ物）の場合は3〜5年とされています。歯科医院によって異なるので、事前に確認しておきましょう。

さらに、保証を受けるための条件として、定期的なメンテナンスを受けていることを挙げている歯科医院が多いです。保証期間によって保証の割合が変わったり、外傷による損傷は保証しなかったり、細かい規定がある場合もあるでしょう。

セラミック治療を受ける際は、保証期間や具体的な条件を確認しておくことが非常に重要です。例えば、治療開始から1年間は100%の保証があっても、3年目には30%の保証に減少するという歯科医院もあります。

他の素材に変える

セラミック歯には、オールセラミックやメタルボンドといったさまざまな種類があります。歯ぎしりや食いしばりによって欠けた場合は、より硬いジルコニアへの変更を検討するのも一つの手です。

ジルコニアは金属よりも堅固で欠けにくいため、破損のリスクを減らすことができます。

しかし、ジルコニアは非常に硬いため、対向する天然歯にダメージを与える可能性があります。セラミックの歯をジルコニアに変更する際は、デメリットを十分に理解し歯科医師と相談して検討しましょう。

セラミック歯の破損を繰り返さないためにできること

セラミック歯の破損を防ぐには、ナイトガードの装着や定期的なメンテナンスが効果的です。

ナイトガードを装着する

セラミックの歯の破損を防ぐためには、就寝時の歯ぎしりや食いしばりへの対策が重要です。これらの行為は無意識のうちに行われるため、自分の意志だけでは防ぎきれません。そのため、ナイトガードの使用が効果的な対処法とされています。

ナイトガードは就寝時に装着するマウスピースで、上下の歯が直接接触することを防ぎます。セラミック歯にかかる過剰な力を軽減し、歯の破損を防ぐことができるのです。

また、ナイトガードは歯列全体に力を均等に分散させる役割もあり、奥歯のすり減りや顎関節症のリスクを低減させる効果があります。歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、セラミックの歯の有無にかかわらず、ナイトガードの使用を検討しましょう。

定期的にメンテナンスを受ける

セラミック歯を長期的に維持するには、定期的なメンテナンスが欠かせません。歯科医院で行われるメンテナンスではセラミック歯や噛み合わせの状態を確認するので、トラブルを早期に発見します。

問題が小さいうちに発見できれば、適切な対処をすることが可能で大きな修復が必要になるのを防げます。

さらに、定期的なメンテナンスでは虫歯のチェックやプロフェッショナルクリーニングも行われます。セラミック歯だけでなく、他の天然歯の健康も保つことが可能でしょう。

まとめ

セラミックは美しさと機能性を兼ね備えた素材であり、天然歯に近い見た目と長持ちする耐久性が特徴です。

しかし、無意識の歯ぎしりや食いしばり、硬い物の摂取、スポーツ中のアクシデントなどによって、欠けたり割れたりするリスクがあります。ナイトガードの使用や定期的な歯科検診を通じて、トラブルを防ぐことが重要です。

セラミックの歯が欠けた場合、修復までの間は刺激物を避け、痛みがあれば速やかに歯科医院を受診しましょう。定期的なメンテナンスにより、セラミックの歯をはじめ全ての歯の健康を守り、必要に応じて治療を受けることが、セラミックの歯を長持ちさせために重要です。

セラミックの歯を検討されている方は、埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。