こんにちは。埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」です。
セラミック治療は保険が適用されず費用の負担が大きいため、治療を受けるかどうか迷っている方もいるかもしれません。高額な費用負担の軽減に役立つ、医療費控除という制度があることをご存じでしょうか。
今回は、セラミック治療で医療費控除を受けるための手続きや注意点などについて、詳しく解説します。
セラミック治療とは
セラミック治療とは、虫歯などで失った部分を、セラミック(陶材)で補う治療方法のことです。セラミックは、銀歯などの金属素材と比べると自然な見た目に仕上がります。また、金属素材のように金属成分が溶け出したり、温度によって変形したりすることがありません。
そのため、土台の天然歯との間に段差や隙間ができにくく、虫歯になりにくいという特徴があります。
また、審美性が高いことも特徴です。保険診療で使用される銀歯やコンポジットレジンでは、天然歯の色調や透明感、艶を再現することができません。セラミックであれば天然歯のように美しく仕上がるので、治療後の見た目を気にする方でも安心して治療を受けられるでしょう。
しかし、セラミックは保険適用外の歯科治療のため、治療費が高くなる傾向にあります。種類や本数によって異なりますが、セラミックの被せ物にかかる費用は1本あたり10万円以上でしょう。
医療費控除とは
セラミック治療の高額な治療費の負担を軽減するために役立つのが、医療費控除という制度です。
医療費控除とは、1月1日〜12月31日までの1年間で、10万円を超える医療費を支払った場合に利用できる制度のことです。総所得金額が200万円未満の場合は、総所得金額の5%の金額が対象となります。
支払った金額の一部を所得控除として受けられます。治療にかかった費用だけでなく、通院のための交通費なども控除の対象となります。
また、生計を共にする配偶者や親族が支払った医療費も対象で、5年前までさかのぼって申告することが可能です。その年の確定申告期間内に申請できなかった場合や、数年前に高額な治療を受けていた場合なども、期間内であれば控除の申請は可能なので手続きをしましょう。
セラミック治療は医療費控除の対象?
セラミック治療は医療費控除の対象になります。
人工歯本体の費用だけでなく、カウンセリングや検査、診断などにかかった費用も医療費控除の対象です。他にも、治療にともなう医薬品の購入にかかった費用や、通院するために公共交通機関を利用した場合の交通費も対象となります。
ただし、医療費控除の対象になるのは、あくまでも機能を改善することを目的としたセラミック治療です。見た目をよくしたいという審美目的でのセラミック治療は、医療費控除の対象にならないため注意しましょう。
医療費控除の手続き・申請方法
ここからは、医療費控除を受けるための手続きや、申請方法について解説します。申請期間が設けられているため、期間内に申請しましょう。
医療費控除の明細書を作成する
1年間にかかった医療費の領収書をもとに、医療費控除の明細書を作成します。生計を共にする家族がいる場合は、家族全員分の領収書やレシートが必要です。医療費通知(医療費のお知らせ)が手元にある場合は、確定申告書に添付して申請することができます。
ただし、医療費通知には、1年間の途中までに支払った医療費しか記載されていないことがあります。記載されていない医療費がある場合は、ご自身で領収書をもとに記載する必要があります。
確定申告書を作成する
医療費控除は所得控除のため、還付金を受けるには確定申告を行わなければなりません。所定の方法に従って、確定申告書を作成しましょう。
確定申告書を作成する際は、源泉徴収票やマイナンバーカードが必要です。確定申告書の作成方法については、国税庁のホームページで確認できます。
お近くの税務署でも相談が可能なので、記載方法について不明点がある場合には相談しましょう。
税務署に必要書類を提出する
医療費控除の明細書と医療費の領収書、または医療費通知を添付した確定申告書を作成できたら、定められた期間中に税務署に提出します。確定申告の期間は、毎年2月16日〜3月15日です。
税務署に足を運んで窓口に直接提出する方法以外にも、郵送やe-Tax(インターネットでの確定申告)でも提出可能です。税務署に足を運ぶ時間を取れない方は、他の方法も活用しましょう。
ただし、初めて確定申告をする場合は、書類に不備がある可能性もあります。税務署に持参して、窓口の担当者に書類に不備がないかを確認してもらうと安心かもしれません。
還付金を受け取る
確定申告が完了すると、その後1~2ヶ月程度で還付金を受けられます。
セラミック治療で医療費控除をする場合の注意点
セラミック治療で医療費控除をする場合には、いくつかの注意点があります。確実に還付金を受けるためにも、以下の点には注意しておきましょう。
審美目的のセラミック治療は対象外
繰り返しになりますが、医療費控除が受けられるのは、あくまでも治療を目的とした場合のみです。審美目的で行うセラミック治療は対象外となるため注意しましょう。
公共交通機関の費用のみ対象
通院にかかった交通費も控除の対象となりますが、公共交通機関を利用した場合に限られるため注意してください。自家用車で通院した際のガソリン代や駐車場代などは、対象になりません。
また、交通費を医療費の一部として申請する場合には領収書が必要です。なくさずに保管しておきましょう。
家族全員分の領収書を保管する必要がある
先述した通り、生計をともにする配偶者や親族の医療費もまとめて申請できます。申請の際には家族全員分の領収書や医療費通知が必要になるので、ファイルなどにまとめておくとよいでしょう。
なお、確定申告期限から5年間は、医療費の領収書や通知書を手元に保管しておく必要があります。確定申告が完了しても、破棄しないよう気をつけましょう。
還付金の金額は人によって異なる
還付金がどれだけ戻ってくるのか気になる方は多いかもしれません。還付される費用は、実際に支払った医療費の総額によって異なります。
セラミック治療にかかる費用は、セラミックの種類や本数などによって大きく異なるでしょう。1本あたりいくら返ってくるか明確に分かるものではありません。
数十万円かかるようなセラミック治療では、数万円単位の還付金が受けられるケースもあるでしょう。
年を跨ぐと対象外になることがある
上述しましたが、医療費控除は1月1日〜12月31日までの1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に還付金を受けられる制度です。
12月に治療を始めて翌年1月に治療が終了した場合などは、1年間に支払った医療費が10万円を超えず対象外になるケースもあるかもしれません。治療の開始時期や終了時期をずらすことは難しいですが、治療にかかった費用全てを申請できないこともあるでしょう。
まとめ
保険適用外のセラミックは高い費用がかかる治療ですが、医療費控除を受けることで費用の負担を軽減できます。医療費控除を受ける場合には、1年間の医療費の領収書などが必要ですので、必要書類をきちんと保管して手元に準備しておきましょう。
医療費控除について詳しく知りたい方や、セラミック治療の費用で悩んでいる方などは、歯科医院に相談するとよいでしょう。
セラミック治療を検討されている方は、埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。