こんにちは。埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」です。

詰め物や被せ物で治療した歯に、フロスが引っかかるのが気になっている方もいるのではないでしょうか。フロスが引っかかるようになった場合、何らかのトラブルが発生している可能性があります。

フロスが引っかかる状態を放置するとさまざまなリスクがあるため、正しく対処することが大切です。

今回は、歯の詰め物や被せ物にフロスが引っかかる原因や対処法についてくわしく解説します。詰め物や被せ物で治療した歯がある方や、フロスの引っかかりが気になっている方はぜひ参考にしてください。

歯の詰め物・被せ物にフロスが引っかかる原因

過去に詰め物・被せ物で治療した歯にフロスが引っかかり、フロスが毛羽立ったり切れたりした経験がある方もいるのではないでしょうか。詰め物・被せ物にフロスが引っかかる原因は、おもに以下の3つです。

• 虫歯ができている
• 詰め物や被せ物が合っていない
• 歯石が付着している

それぞれくわしく解説します。

虫歯ができている

詰め物や被せ物と歯の間に虫歯ができると、その箇所にフロスが引っかかることがあります。健康な歯の表面はツルツルとして滑らかですが、虫歯になると歯の表面のエナメル質が溶かされてザラザラした状態になるので、フロスが引っかかるのです。

初期の虫歯は自覚症状がないことも多く、とくに詰め物や被せ物の下で発生した虫歯は発見が難しいです。フロスが引っかかるようになったら虫歯になっている可能性があることを理解しておきましょう。

詰め物や被せ物の不具合

詰め物や被せ物に不具合が生じている場合も、フロスが引っかかることがあります。治療の段階で詰め物・被せ物が合っていない場合や、長期間の使用により素材やセメントが劣化してすき間や段差が生じた場合などが考えられます。

すき間や段差が生じると、そこから虫歯菌が侵入して詰め物・被せ物の下で虫歯が再発する可能性があるため注意が必要です。とくに、保険診療の銀歯は経年劣化によりすき間や段差が生じやすく、汚れも付着しやすいため虫歯が再発するリスクが高いです。

歯石が付着している

歯石によりフロスが引っかかることもあります。歯と歯の間に歯石が付着していると、歯の表面がザラザラとしてフロスが引っかかるのです。

歯石は虫歯の原因となるプラークが長期間歯に付着して石灰化したものです。セルフケアでは除去できないため、歯科医院で歯のクリーニングを受けて除去する必要があります。

歯の詰め物・被せ物にフロスが引っかかる状態を放置してはいけない？

歯の詰め物・被せ物にフロスが引っかかる状態を放置してはいけない理由は、以下の2つです。

• 虫歯が再発する可能性がある
• 歯を失うおそれがある

それぞれ解説します。

虫歯が再発する可能性がある

歯石や詰め物・被せ物の不具合が原因でフロスが引っかかっている場合、そのまま放置すると虫歯が再発する可能性があります。治療した歯は虫歯にならないと考える方もいますが、虫歯が再発する二次虫歯になることがあるのです。

虫歯の原因となる歯垢や歯石を放置すると、詰め物・被せ物のすき間や段差から細菌が侵入して二次虫歯が発生するリスクが高まるでしょう。

虫歯が重症化するおそれがある

フロスが引っかかる状態を放置すると、再発した虫歯が重症化するおそれがあります。虫歯が再発しても、早期発見・治療できれば削る量も少なく治療期間も短くなります。

しかし、詰め物・被せ物の下で発生する二次虫歯は発見が難しく、気づいたときには重症化していることも少なくありません。とくに、過去の治療で神経を取っている場合は痛みが出ないため虫歯の発見が遅れやすいです。

重症化を防ぐために「フロスが引っかかるな」と感じたら早めに歯科医院を受診することが大切です。

歯を失うおそれがある

一度治療した歯に虫歯が再発すると、過去に削った歯をさらに削って治療することになります。二次虫歯は進行が早く、歯を残せないほど重症化していることも少なくありません。

虫歯の再発をくり返すと歯の大部分が失われ、最終的には抜歯が必要になるでしょう。

歯の詰め物・被せ物にフロスが引っかかる場合の対処法

フロスが被せ物に引っかかる場合の対処法は、以下の通りです。

歯間ブラシを使用する

詰め物・被せ物に引っかかってうまくフロスが通らないときは、歯間ブラシを使用しましょう。歯と歯の間に差し込み、力を入れずに前後に動かして使用します。

歯と歯の間の汚れは歯ブラシだけでは除去できないため、補助清掃器具を利用して清潔を保ちましょう。

早めに歯科医院を受診する

詰め物・被せ物にフロスが引っかかる場合は早めに歯科医院を受診しましょう。歯石ができている場合はプロによる歯のクリーニングで除去できます。虫歯や詰め物・被せ物の不具合が原因となっている場合は治療や処置が必要です。

二次虫歯は再発しやすく重症化しやすいため、早期発見・早期治療が非常に重要になります。詰め物や被せ物で治療した歯がある方は、定期的に歯科検診を受けると安心でしょう。

ふだんの歯磨きにフロスを使用したほうがよい理由

毎日きちんと磨いていても、歯と歯の間の汚れは歯みがきだけでは除去できません。ふだんの歯磨きにフロスを使用したほうがよい理由は、以下の2つです。

• 歯と歯の間の汚れを効果的に除去できる
• トラブルを早期発見できる

それぞれくわしく解説します。

歯と歯の間の汚れを効果的に除去できる

ふだんの歯磨きにフロスを使用すると、歯と歯の汚れも効果的に除去できます。歯ブラシの毛先は歯と歯の間には届きにくく、しっかり磨いていても汚れが残ることが多いです。

フロスは歯と歯の間の狭いすき間の汚れをしっかりと掻き出すことができます。フロスで歯垢を除去することで、虫歯や歯周病、口臭などのお口のさまざまなトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

トラブルを早期発見できる

ふだんの歯磨きにフロスを使用すると、虫歯や歯周病、詰め物・被せ物の不具合などを早期発見できます。毎日フロスを使用していて、フロスが同じ場所で引っかかる、フロスが切れやすい、フロスが毛羽立つなどの場合、何らかのトラブルが生じている可能性があります。

詰め物・被せ物の下にできる二次虫歯は発見が遅れることが非常に多いです。また、進行が早く重症化しやすいため、フロスの引っかかりによって早期に発見できれば歯を残せる可能性が高まるでしょう。

詰め物・被せ物に不具合が生じていても、早期に対応することで二次虫歯の予防につながります。フロスを使用していて歯茎から出血する場合は、歯周病にかかっている可能性があります。

フロスを使用していて「いつもと違うな」と感じたら、早めに歯科医院を受診しましょう。

まとめ

詰め物・被せ物にフロスが引っかかる場合、虫歯や歯石、詰め物・被せ物の不具合など何らかのトラブルが生じている可能性があります。そのまま放っておくと二次虫歯が発生し、気づいたときには歯が残せないほど重症化するおそれがあるため注意が必要です。

とくに、銀歯で治療した歯は二次虫歯が発生する可能性が高いです。経年劣化により歯との間にすき間や段差が生じ、そこから虫歯菌が侵入して虫歯が再発します。フロスが引っかかる場合は早めに歯科医院を受診し、原因に応じた治療を受けましょう。

ふだんの歯磨きにフロスを使用することで、虫歯や歯周病、口臭などのお口のトラブルを未然に防ぐことができます。「フロスが詰め物・被せ物に引っかかるな」と感じたときに歯科医師の診察を受ければ、トラブルの早期発見も可能です。

歯の詰め物・被せ物にフロスが引っかかる場合は、放置せずに早めに歯科医院を受診しましょう。

フロスが引っかかると感じる方は、埼玉県富士見市ふじみ野にある歯医者「榎本デンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。